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田舎暮らしのスケッチとメモみたいな


by faicrystal
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 それ以外にも細かい説明などが残っていたが、安瓚は授業を終わらせた。薬水の効用や、温泉と碧海水についての説明は次の機会にすることにした。しかし一週間後に開かれた授業で安瓚は思わぬ方法で医女の選抜を行った。それは地漿(韓方で三尺ほど掘った黄土の中の泥を落ち着かせてできた澄んだ水。解毒剤として使われる)についての質問だった。この日の安瓚はいつもの温厚な顔ではなかった。一点の隙も感じられない険しい表情をしていた。勘のいい医女であれば、これが議論に見せかけた取才(チジェ)であると気づいたかもしれなかった。この日の安瓚は特別な方法を用いた。百人あまりの医女を集めて、自分の質問に正しく答えたり、特色のある意見を出したりした者は向かい側の席に座るようにした。こうして十人を選び、そこから二、三人をさらに選抜するつもりだった。

「誰でも知っている者がいるなら答えてみなさい。地漿とは何かね」

 采玉が自信をもって答えた。

「地漿とは生土を三尺ほど掘った時に、にじみ出る水のことです。この水は土が底に沈むと澄んだ水になり、それを使います。地漿の効用については、味が甘く、毒がありません。そしてすべての魚肉、果物、野菜、きのこなどの解毒作用があると知られています」

「それで十分だ。お前は熱心に勉強したようだな。向こう側に座りなさい。では次の質問だ。癨乱(かくらん)(韓方で食あたり、嘔吐、下痢を伴う急性の胃腸病)によってお腹が膨れ上がり、苦痛がひどい場合はどういった処方を用いるのだ」

 今度はユウオリが答えた。

「地漿を三杯から五杯飲めば病症をおさえることができます」
「もし砒霜(ひそう)(砒石を昇華させて作った結晶体、毒薬)の中毒になった場合はどうすればいいのだ」

(172ページ終わり)次回で最後になります。


# by faicrystal | 2021-05-21 17:21 | チャングムの誓い(書籍)

「雪にはどういった効果があるのだろう。雪は味が甘く、冷たく、そして毒がない。季節の変わり目に伝染しやすい温疫(韓方で流行性の熱病を指す言葉)をはじめ、胆石があるとき、また酒を飲んで異常に熱が高い時、そして黄疸などの治療するときに効き目がある」

 その次は夏の氷について説明した。夏の氷は味が甘く毒がない。体が火照る煩熱を鎮め、涼しい場所に長く居すぎて生じた疾患を治す。

『本草綱目』という書籍では、夏の氷は熱が盛んで精神が昏迷している際にひとかけらの氷をみぞおちの上に乗せると効き目があり、特に焼酎の毒を解くとしている。また体に傷跡がある際に夏の氷で摩擦をすると効能があるとも書いている。

 次に説明したのは屋漏水(屋根から滴り落ちる水)だった。屋漏水は辛く、苦い味で毒がある。飲むと体に悪瘡が生じる。屋漏水の使い方は、こぶができた時に塗ったり、丹毒には布に濡らしたりして使う。

 では流れる水はどうだろう。流れる水は病後の虚弱な体に飲ませる薬を煎じる際に使うと効能があるとしている。特に五労七傷や、目をつぶることができないとき、中風などに使用すると効能がある。次に説明したのは井戸水だった。

「人々が普通飲むのは井戸水だ。早朝に汲み取る井華水(早朝一番に汲んだ井戸水、真心を込めて祈る時や、韓方薬を煎じる時に使う)は味が甘く毒がない。人が驚いて気絶した際には水を顔に吹きかけて目を覚ます。井戸水は心臓を沈静化させ脈を安定させると共に、口臭を抑える効果がある。酒や酢に使うと腐敗しないし、井戸水を掘って最初に湧き出た水は新汲水といって消渇と嘔吐を抑える効果があるとされているのだ」

(171ページ終わり)

# by faicrystal | 2021-05-20 13:00 | チャングムの誓い(書籍)

水源地周りの様子/2週間前です_e0295926_11451065.jpg

水源地周りの様子/2週間前です_e0295926_11452733.jpg

水源地周りの様子/2週間前です_e0295926_11454871.jpg
水源地へ午後から赴きました。
夕方近くになって帰り際に写真をとりました。

およそ2週間前、まだ肌寒かったです。

いつも居を構えている場所からすると
高度が高く、雲の感じが、ちょっと豪快。
ほんとうに高山の山小屋にいるよう。
天気が変わるときは、ドラマチックです。

樹々はさらさらと音をたてていました。
鳥はもう夕方にはお休みしたような気ががします。
これから夜を迎える
しんとした静けさ。


# by faicrystal | 2021-05-20 11:49 | 女神山命水

最近の水源地の後ろのお山_e0295926_11415992.jpg
2週間くらい前の様子です。

いつも採水させていただいている
水源地のうしろのお山です。
新緑がまぶしい。

いつも本当にありがとうございます☆

# by faicrystal | 2021-05-20 11:43 | 女神山命水

「良い質問だ。すべての花の上に降りる露は人の顔色を良くさせる効果がある」

『本草綱目』によると八月一日に露をとり、墨をすって太陽穴(こめかみのくぼみ)に垂らすと頭痛が治るという。松の実や菖蒲の上に降りた露は目を清めるのだが、目に用いた後には必ず洗い落とさなければならない。また韮の上に降りた露はできものをなくす効果があるのだが、この露は目に入れてはならない。

 次には甘露についての説明が続いた。安瓚は『山海経』という本に甘露を飲むとハ百歳まで長寿することができると書いてある事を強調した。すると甘露とは何なのか。それは"清く澄み玲瓏な露"であり神霊の精であると紹介した。

「さあ、今度は秋の霜を見てみよう。秋の霜を薬として使えるだろうか」

 安瓚が尋ねたのは采玉という娘だった。彼女は水原で薬屋を経営する朴主簿の一人娘だった。性格が活発で素直な娘だった。

『私が父から教わったのは、露はその味が甘く、冷たく、毒がないのだということです。霜を食べると酒を飲んだ後にできた毒と顔の赤らみを鎮めると聞きました。私が見た書籍では冬の霜を貝殻の粉に混ぜて、鼻の中にできた傷や、股、脇などの腫れ物に塗ると即効があると存じております」

「では聞こう、体が冷たい人が熱を帯びる伝染病にかかった場合はどうするかと書いてあったかね」

「冬の霜を一合暖かい酒に混ぜて飲むと症状を治す事ができるとありました」

 安瓚が静かに頷いた。答えが正確だったからだ。安瓚はそれ以上の質問はせずに自ら説明を続けた。今度は雪についての話だった。

(170ページ終わり)
# by faicrystal | 2021-05-17 11:12 | チャングムの誓い(書籍)