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田舎暮らしのスケッチとメモみたいな


by faicrystal
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 安瓚はさらに説明を付け加えた。医女であればこの程度の知識は身に着けていなければならないという話だった。立春節に降る雨水は、その性質において春には水蒸気となって発散しているものなので、中気不足と清気不足を補う。そこで、古い本では夫婦が雨水を一杯づつ飲んで結ばれると効経があると書いてあるのである。

 男女が結ばれるという話に、まだ若い医女たちはくすくす笑っていたが、安瓚は気にとめない様子で続けた。今度は長雨の雨水について説明した。

「降り注ぐ長雨の雨水にはどういった効験があるだろうか。『本草拾遺』にはこういう解説が書かれている。長雨の雨水はその味が甘く、平坦で毒がなく、それを煮詰めると脾臓と胃を補い、湿り気と熱をなくす効果があるとしているのだ」

 次に尋ねたのは露水についてだった。果たして露水にはどのような効験があるのだろうか。最初とは違って医女達は安瓚の話に集中していた。

「露の味はとても甘く、平坦で毒がない。秋の露を更に載せて煮詰めると飴の様になる。いかなる草の上についた露も、日が昇る前に採って使用するとあらゆる病気の治療に良いほか、特に消渇(常に喉の渇きをおぼえる症状)を鎮める効果が大きいと言われている」

 薬剤を管理する居所の医女が質問した。
「先生、草ではなく、花の上に降りた露はどのような効験があるのでしょうか」

(169ページ終わり)
# by faicrystal | 2021-05-14 13:34 | チャングムの誓い(書籍)

「薬を使わないのなら、水を使えば良いでしょう」

「そうだ、水をつかう。どんな水を使うのかね」

「それは…生水じゃありませんか」

医女たちが笑い声をあげた。安瓚は真顔でたしなめた。答え方が気に入らなかったが、間違ってはいなかった。

「夜になると布団に寝小便をする子供は生水を使って悪い癖を治すのだ。その治療法とは、寝る前に走らせて汗をたくさん流すようにするのだ。汗を充分かいてから生水を飲ませると二度と布団に寝小便をすることはないのだ」

 寝小便の話にまた医女たちが笑った。安瓚はしばらく待って、今度は水の効用について質問し、正しく答えた医女には賞金を与えると付け加えた。

「湯薬を煎じる時には常に平凡な水を使うとは限らない。その理由は一見すると同じような水でも各々効用が異なるからだ。では、雨水の効用について答えられる者はいるかな」

 一番年上の順芬が答えた。彼女は普段からこの方面について研究していたようだった。

『雨水はその味が甘く平坦なので毒がありません。立春の雨水は夫婦が一杯ずつ飲んで結ばれると男の子が生まれると言い、梅雨水は陰瘡を治し傷跡をなくすと言います。雨水を醤油に入れると早く熟するという特徴があります」

 「うむ、そのとおりだ。『本草綱目』では雨水を煮詰めるとよく発散すると書いてあるので、当然体を補い、気を増進するものなのだ」

(168ページ終わり)
# by faicrystal | 2021-05-13 12:25 | チャングムの誓い(書籍)

 一日の日課は医科試験に出題される科目の中で医女として特別に習得しなくてはならない部分と、診脈やその他湯薬の調製に伴う毒性や、薬性についての教育を受けることだった。普段は医学に知識がある尚宮が統率するが、一週間に一度は典医監から人が出向いて教育を実施した。ある日、典医監の主簿である安瓚が医女たちの教育にやってきた。この日の内容は湯薬を煎じる時に使用する水に関するものだった。

 「人が住む場所には必ず水がある。都城があるところには河川や江があってこそ国の経営に支障がないのだ。このように水は広い目で見れば国を豊かにする基礎となり、身近では人の命に関わるものであるので、非常に重要なものだと言える」

 安瓚はわかりやすい例を挙げて説明した。

「体の中から水分が十分の一抜けると病的な状態に陥り、身体が不安定になる。だんだん苦痛が激しくなってきて、その倍の量の水分を失うと人は死に至る。つまり人が水をまったく飲まなければ五日くらいが限界だということだ」

 安瓚は続けた。

「しかし、水といっても全部同じではない。人は沸かした水でも、生水でも構わないが、魚や草は沸かした水をやるとすぐに死ぬか枯れてしまう。この点から、沸かした水よりも生水の方が良いと言うことがわかる。一つ面白い話をしてあげよう。うちの近所に夜になると必ず寝小便をする子供がいた。その子の寝小便を治すにはどうすればいいか知っているかな」

 以前、薬房妓生としてあわよくば廃君の寵愛を受けたかもしれないというユウオリが答えた。

(167ページ終わり)
# by faicrystal | 2021-05-12 13:28 | チャングムの誓い(書籍)

先日知人とお話し、
その翌日、朝起きがけの夢見時間、
チャングム、と閃いたんです。

なんだろう、
そういえば、、と
昔、読んで、そのままになっていた、
本が本棚の片隅にありました。

読み進めてみると

長年疑問だった事、

最近気になっていた事

のある答えが

水や植物とともに示されていました。

前後の背景もあり
読み進めるうえに必要かなと思い
長くなりますが、掲載しました。

1ページずつ、8日かかると思いますが
おつきあいください。

著作権のことを考えたのですが
ぜひ、一部を、紹介文として読んで頂き
本屋さんに行ってみられる事お勧め致します。

東洋医学の叡智にみちた、本でもあります。

昨今の野草ブームで、薬効ばかりが取りざたされて
もしかしたらかけているかもしれない
陰陽思想の中庸のありかたを、気付かせてくれます。

歴史小説でもあり、映画のようでもあります。

自分があたかもチャングムになったような
不思議な錯覚に入り込んでいます。

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実録 チャングムの誓い 全編 ヨ・ソルハ著
ワニブックス発行 2006年初版

第8章 取才(チジェ)

 医科試験は高麗時代には医業と言って文武科と共に施行されていたが、仁祖十四年に科挙制度を整備し直し試験科目を改めた。『素門経』をはじめ、『甲乙経』、『明堂経』、『難経』、『脈経』、『鍼経』、『灸経』などの科目があった。特に朝鮮では式年試(大比科とも言う。子、卯、午、酉の年を式年とし、三年に一度定期的に試験を施行した)と国に祝い事がある時に実施した大増廣試を通じて人材を選抜した。

 試験で一等になると従八品の職位が与えられ、二等は従九品、三等にも従九品の品階が授けられた。そして残りは権知と言って、臨時待機職となっていた。このような医科試験に応じていたのは、最初は両班の子弟たちだったが、医科そのものを雑学として卑下していたので、ほとんどが二品以上の官職を持つ班家の庶子だった。

 医女の取女は典医監が司っていた。医科を通過して内医院に努める典医たちが処方箋を記すと、それをもって薬剤を選んだり、処方どおりに湯薬を調整したりする仕事を担当していた。

 廃君燕山の時代には医女たちを妓生のように扱い、酒席のお供をさせていたので薬房妓生という言葉が出来たのだが、その後政変が起こると医女たちはそれまでの宮中生活に愛想を尽かし草野に戻る者も少なくなかった。そのため中宗が即位してからは宮中の医女の数が著しく不足していた。典医監では一度に百人くらいの志望者を集め、一定期間の教育を経て医女の取才に応じさせる制度を作ったのだった。

 安治享の推挙で宮内に入ったチャングムは医女たちの宿所で暮らし始めた。そこで済州道で学び、修練したことを反芻しながら新しい生活にもなじみつつあった。典医監の主簿として勤めている安瓚の姿を見ることはできたが、チャングムとしては特に力とになってもらえる機会はなかった。

(166ページ終わり)
 

# by faicrystal | 2021-05-11 12:03 | チャングムの誓い(書籍)


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アロエの花が初めて咲いたそうです。
 
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3つ目の避暑洞窟、造成中。


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なにも生活変ってない、そうです。


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 向かう先はCity of Bakers Field



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今はこの風呂を使っているそうです


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修理中の五右衛門風呂だそうです



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トニさんのつぶやき「今年は草が生えないなー」

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満天の大きな銀河の下のお風呂、入りにいきたいなあ。。。☆
夜は、宇宙の、ど真ん中。
直接どの星ともお話できそうな距離デス。


美しすぎて、嬉しすぎて、過酷すぎて、泣きそうになります。












# by faicrystal | 2021-05-03 12:39 | トニーさんCalifornia暮らし